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井上和弘『稼ぐ商品・サービスづくり』(日本経営合理化協会 出版局、2002)
日経新聞などで頻繁に宣伝されている日本経営合理化協会の書籍の一つです。気になっている社 長さんも多いと思います。費用対効果という観点ではお勧めできません。どうして読みたい方は図 書館でお借りするすることをお勧めします。
ただし、本文中に共鳴するところもいくつかありました。例えば、「これから利益を稼ぎ出す急所」とし て、@顧客を選ぶ、A日当たりの良いマーケットで稼ぐ を挙げていますが、全く同感です。

そこで、この本の「まえがき」を紹介します。
このところ「何をやっても儲からない」「売れて儲かる商品がない」とお嘆きになる経営者がほんとう に多い。
 たしかに営業マンが売り込み攻勢をかけても、得意先を集めて展示会を開いても、経費倒れで思 うように利益を稼げない企業が増えている。かつての右肩上がりの時代の営業手法や販促手段が 急速に力を弱めてしまった。稼ぎ方が変わってしまったからだ。
 失われた10年といわれ、デフレ環境がつづくなかで、ある日突然、受注先から「中国へシフトする のでもう仕事を頼めなくなりました」とか「価格を三割ダウンしてくれなければ取引をやめる」、はたま た「無認可の添加物が入っていたからお宅の経費で全品引き上げよ」と一方的に告げられる。近年 の商売の厳しさは、まるで阪神大震災のように「まさか」という事態がある日突然起こっても不思議 ではない。
 しかし私の周囲には、「いまどきなぜあんなに売れて儲かるのか」、その売りものの強さにライバ ルが唖然とするような稼ぎのよい会社が目につく。多くの経営者が大変だ、赤字だと嘆いているとき に、「前年の倍の売れ行き」「1日売上の新記録をあげた」「高い値段でもお客が殺到する」という業 績好調の会社が存在していることも、また事実なのである。
利益を稼ぐのは「営業力・販売力」ではなく「商品力」だというのが私の年来の主張だ。
 私は、この30年間、経営コンサルタントとしてただひたすら黒子に徹して、企業収益の増強のため に夢中で仕事をしてきた。企業の内部に入り込んで、徹底して安上がりの筋肉体質にし、売りもの を強化するための得意先・消費者への「お役立ち原点」を追求しつづけて、その企業の「稼ぐ商品・ サービスづくり」にあたってきた。
 だめな商品やサービスを、いくら強引なセールスや宣伝で売り込んでも、長期の利益にはつなが らない。ところが得意先やお客さまが手を合わせて「ぜひ仕入れさせてください」「予約してでも買い たい」と言ってくる商品やサービスなら、パートやアルバイトの販売員でも安定して売れていくことに なる。
 今も昔も、「営業力」より「商品力」のある企業が稼いでいることに変わりはないのである。そのた めにたとえ安値で叩かれても儲けが出るようにコストを磨き、どの企業にもある「わずかな強み」を見 いだして磨き込み、他社がマネのできない商品力に育てる。この当たり前のことを愚直にやりつづけ てきた30年間であった。
 そしていつの間にか気がつくと、お手伝い先の多くが、ヨソよりいくらかでも強い商品力を売りもの に、厳しいなかでも着実に業績をあげ健闘してくれている。その中から売上利益を大幅に伸ばして、 押しも押されもしない高収益会社となり株式を上場したり、業界トップとなる会社を輩出したことは、 優秀な経営者に巡り会った私の幸運というものだろう。
 本書は『儲かるようにすべてを変える』につづく第二弾「儲かるように売りものを変える」篇である。 題して『稼ぐ商品・サービスづくり』とした。
 読者の企業の「商品やサービス」を稼ぐように変えるために、何が大事かを挙げてみると、
 ひとつは「安くても儲かる仕組みづくり」である。
 二つ目は「高くても売れる魅力づくり」である。
 三つ目は「これからの新たな売りものづくり」である。
 四つ目には、組織として稼ぐために「社長が営業・開発部門をどう牛耳るか」である。
 そして五つ目は「社長自身の営業のあり方」である。
 そこで経営者が今もっとも身につけておきたい、これら五つの実践テーマについて、私が直接体験 してきた実例を中心に、明日からすぐ実践できるように、その急所となるノウハウをわかりやすく述 べた。
 特に「コモディティとスペシャリティ」「価格抵抗力」、「ブランド訴求力」、「されどづくり」「お役立ち原 点」などの考え方は本書で初めて公開するものである。
 本書のもうひとつの特長は、同じメーカーでも生産財と下請アセンブリ、卸売業も地方問屋と中小 商社、サービス業も飲食・ホテルから結婚式場やビルメンテナンスというように、できるだけ多くの業 種について最新実例を随所で紹介した。そのためどんな業種業態の方でも、たしかな実感をもって 読んでいただけると思う。
 本書が、みなさんの売りものづくりの戦略や手法を明日から一新し、素晴らしい業績をあげる具体 的な手がかりとなることを心から願っています。
  2002年初夏 井上 和弘  

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